
月鳴会(主宰・会員)の近況
投句一覧 令和6年上半期
福井市 白﨑寿美子
1、住人の面構えして寒鴉
2、手を上げて降参の形ずわい蟹
3、餅搗の臼取り名手今は昔
福井市 青木かよ子
4、八咫烏といえども鳴けぬ能登地震
5、白嶺の眩し白山風花す
6、瓦礫山越えて差しのぶ小豆粥
あわら市 小林史於
7、初雪にぶんぶん腕をふる赤子
8、寒晴や青を深める遠き峰
9、参道まで冬木の桜しだれけり
勝山市 石田秋桜
10、大寒やこれからの日の薪を積む
11、新玉の水とうとうと村巡る
12、地震の報続く冬田の凛とあり
坂井市 中田良一
13、日脚伸ぶ差し込む影の微笑まし
14、泣き相撲大いに沸いて四温晴
15、木々を梳く風はひかりを持ちて春
福井市 笠松信子
16、唐門に立つ二人の背ナのあたたかし
17、雪踏んで木々に元気と聞く私
18、背戸に雉いて一歩の口あ飛び立てり
丹生郡 藤坪憲雄
19、ジャズピアノ鍵盤たたく冬の雷
20、物忘れ傾ぐ心やしずり雪
21、寒の水ゴツリと動く喉仏
福井市 白﨑寿美子
22、振袖が口一文字弓始
23、ぱっくりと信じ切ってる寒蜆
24、左義長の煙真っ直ぐ空真青
丹生郡 藤坪憲雄
25、手焙りで話す朝市能登訛
26、春立つや農具は今だ深眠り
27、試歩二百友のリハビリ春帽子
あわら市 小林史於
28、地震越えし皿の金継春ひざし
29、春浅き河口に舫うふね二艘
30、つぶつぶと萌す木の芽よ青空よ
福井市 塩谷美津子
31、生粋の郷ことば聞く山うつぎ
32、大河口満々として春来たる
33、踏青や歩いて歩く石となる
福井市 青木かよ子
34、耳底に助けての声春津波
35、棘だけが本音知ってる冬薔薇
36、茜雲揺らぐ水田や四温風
坂井市 中田良一
37、膝に読む達治の詩集彼岸かな
38、竜が吐くお手水温む旅ひと日
39、お御堂の生気と共に雪解風
福井市 村田淑子
40、かひやぐら天に煽がるものばかり
41、担ぐもの神輿傷兵兜太の忌
42、校庭の雀憲法記念の日
丹生郡 藤坪憲雄
43、土いじる子等に咲き初む寒桜
44、松明に浮かぶ鵜の瀬や水送り
45、若者の拓く春宇宙ミニ衛星
坂井市 中田良一
46、野良猫も参戦したり恋の季
47、廃屋のジャングルめいて初音かな
48、万愚節叱れば不貞る実習生
福井市 白﨑寿美子
49、春眠や空飛ぶ車渋滞す
50、切干しの大根縮れ鴉鳴く
51、国会の答弁聞くや猫柳
福井市 塩谷美津子
52、水温む無尽蔵なる風また風
53、花のいろバサとこぼしぬ桜鯛
54、蒼き踏む汀は大いなる踏切
あわら市 小林史於
55、犬抱いて沖見る人や春の浜
56、一人一本記念の植樹卒業す
57、亀鳴くや古来の字名なべて消え
丹生郡 藤坪憲雄
58、春愁や飛行機雲が空一閃
59、つちぐもりゴビの砂漠に眠る美女
60、色鉛筆描けぬ眺めや雨若葉
坂井市 中田良一
61、風ひとつ頬にささやく黄水仙
62、舗道まで日覆い迫り出す初桜
63、山ざくら立つ剛力のひと揺すり
勝山市 石田秋桜
64、待つ事を追い掛ける事花三分
65、アネモネやご機嫌ようと言われても
66、アボガドのへこみ春愁のあの人
福井市 白﨑寿美子
67、葱坊主すっくと立って戸主の顔
68、恐竜の春のあいさつ福井弁
69、涅槃西風繁盛している水の駅
敦賀市 岡本海月(みつき)
70、縫い初めや刺子の針目の整列
71、番外の観音堂も雪囲ひ
72、二時間のレンタサイクル桜まじ
福井 青木かよ子
73、五月雨や湖底の眠り覚す靴
74、億年の土捻られて新茶かな
75、
福井市 白﨑寿美子
74、母の日やプーチンだって母のいて
75、桜マラソン街をピンクに染め上げて
76、整列の笑い過ぎてるチューリップ
福井市 松島可奈
77、晴れた朝薄凍割って赤子泣く
78、球根のあたまはみ出て春便り
79、献花して沈む御堂に二月尽
丹生郡 藤坪憲雄
80、白木蓮まぶしき庭に主は無く
81、春田打ち此処らで休もか円周率
82、茎立畑 若人洗車をねんごろに
あわら市 小林史於
83、熟れ麦や電車は軋みつつ曲がり
84、黒出目金神社の池の日当りに
85、ローマ字で届く郵便夏燕
勝山市 石田秋桜
86、絡まれて木の恍惚や藤満開
87、 佳句
88、春愁や笑いっぱなしの陶狸
福井市 青木かよ子
89、
90、薫風や石のデザイン黄金比
91、青簾おすべらかしの見え隠れ
丹生郡 藤坪憲雄
92、あっさりと拘り落とす松剪定
93、玻璃戸から人待ち顔の雨蛙
94、さり気なく差し出す椅子や緑陰
あわら市 小林史於
95、草むしる微塵の種を頬に受け
96、潮騒へ舗道逸れゆく白日傘
97、梅雨寒や二分遅れの掛時計
福井市 白﨑寿美子
98、麦熟れてしみじみ国の平和かな
99、派手過ぎず信頼できる茄子の花
100、蕗摘んで縄文の香と思いけり
年刊誌『俳諧旅団 月鳴』
『第壱号』残り僅か:頒布中止
『第弐号』残り僅か:頒布中止
『第参号』残り僅か:頒布中止
『第肆号』(頒価3000円)
『第伍号』(頒価3000円)
令和7年「現代俳句カレンダー」(俳句四季)
令和7年「俳句の日めくり
カレンダー」(神野紗希監修)
【主宰近況】
令和7年
2月
角川『俳句』2月号
「特集 選ばれない言葉たち」
令和6年
11月
越前町 蟹と水仙の文学コンクール選考委員
9月
『篠』40周年記念祝賀会出席
【会員近況】(自己申告)
令和7年
2月
『俳句界』髙石まゆみ
令和6年
9月
第9回福井県現代俳句秋季大会
【特選】
いつの日か手放すすべて遠花火 小林史於
【入賞】
梅漬ける一粒ほどの平和かな 塩谷美津子
漫殊沙華赤に少しの邪を秘めて 佐藤節子
【佳作】
句友とは得難いご縁小鳥来る 髙石まゆみ
6月
第7回福井県現代俳句春季大会
【入賞】
青葦の切っ先揃う少年期 塩谷美津子
千本の素振りを課して春を待つ 佐藤節子
【佳作】
天皇にしたき皇女や風光る 髙石まゆみ
穂麦揺れ風も乗り込むローカル線 藤坪憲雄
花見ごろ言葉優しくなって居る 山田冨裕
【特別賞】
冬晴れや光の中のファンファーレ 松島可奈
放任に強い子育つクロッカス 白﨑寿美子
快挙!!
祝:福井県現代俳句協会
大会選考委員 就任
委員長 塩谷美津子
委 員 髙石まゆみ
委 員 小林 文於
委 員 中田 良一
過去3年間の県大会の成績により、
大会選考委員8名のうち中内会長含む
5名が、月鳴から選出されました。
【その他】
芸術新潮 令和6年6月号安彦良和特集!